私は一級建築士・インスペクター・住家被害認定の資格を持ち、失効しましたが、応急危険度判定とアスベスト診断の資格も持っていました。鑑定士の中では、建物がらみの調査と評価は得意な方と自負しております。図面作成や劣化の判定などは特段問題ありませんが、建物の新築価格(再調達原価)を求めるのは多少苦労します。いろいろな建築士との付き合いの中で、今の建築費の動向などは集めています。しかし、図面や仕様書を見て見積書を起こす建築積算の技術はありません。概算建築費を求めるのを苦手としている鑑定士は多いのではないかと思います。
日本不動産鑑定士協会連合会では、戸建住宅の積算価格を求めるための「JAREA-HAS」というソフトを配布しています。建設物価調査会という外部組織のデータベースを使って、戸建住宅の再調達原価、減価修正(耐用年数と観察減価)、任意の時点の建物価格(建物の積算価格)を求めるソフトです。ご縁があって、先日このJAREA-HASを2度ほど使用させて頂きました。クセが多く、困惑する点も多々あるのですが、なかなか面白いと思います。このソフトがこれからどう発展するかはわかりませんが、コンピュータ評価の一つの到達点だと思いました。